第 8 節
下水道事業のエネルギー施策
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現状と課題
当局では一年間に都内使用電力量の1%に達するほどの莫大な電力を消費している。
また、地球温暖化ガスの排出量は、CO2換算の排出量で83万トン(平成11年度)となり、東京都の事務事業活動により排出される179万トンの実に46%を下水道事業で排出している。
このため、経営の効率化及び環境負荷の低減の観点から電力使用料の縮減と下水道事業より発生する未利用エネルギーの積極活用に努めている。
(1) 電力使用料の削減
[1] 環境マネジメントシステム(ISO14001)運用
職員の意識改革等により昼間の下水を貯留し夜間に処理するなど内部努力により電気料金を削減
[2] 電力貯蔵設備(NaS電池)の導入(巻頭写真)
平成13年度葛西処理場に1,000kWのNaS電池を導入し、低廉な夜間電力を蓄電し、昼間に使用することで電気料金を削減している(図表5-5)
図表5−5
電力負荷平準化のイメージ
(2) 下水の持つエネルギーの利用
[1] 下水の熱利用(冷暖房の熱源として活用)
下水の熱を利用するシステムを「アーバンヒート」と名づけ、下水道施設内の9処理場、3ポンプ所において冷暖房に導入している。また、平成6年7月から後楽一丁目地区において未処理下水を熱源とした全国初の地域冷暖房事業を開始している。
平成14年4月には、新砂三丁目地区において、砂町水処理センターの処理水及び汚泥焼却廃熱(洗煙水)を活用した地域冷暖房事業を開始した。
[2] 汚泥消化ガス発電
小台処理場において、汚泥消化ガスを活用した発電設備を昭和63年10月より稼動させている。場内使用電力の約20%を発電しており、年間に3,150トン(平成13年度)のCO2を削減している。
また、森ケ崎水処理センターにおいては、消化ガス発電をPFI事業により平成16年度当初から稼動させる予定であり、平成14年4月に事業予定者を選出した。
下水道事業は、処理レベルの向上、下水量の増加、施設の深度化等により今後も確実に電力の使用量が増加していくものと想定されるため、さらなる内部努力が必要である。
今後とも電力使用料の削減と下水道事業より発生する未利用エネルギーの積極活用等により環境負荷の削減を推し進めることで、都市におけるエネルギー及び環境問題に積極的に関与していくことが求められている。
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今後の展開
(1) お客さまサービスの向上のために
[1] NaS電池の処理場などへの導入拡大
低廉で温室効果ガス排出量の少ない夜間電力を充電し、昼間に使用するNaS電池を処理場など下水道施設に導入していく。
[2] 下水の熱利用の拡大
下水道施設の冷暖房用として、維持管理費の節減、省資源、省エネルギー、大気汚染防止などの観点から、施設の新設や空調設備の更新にあわせてアーバンヒートを導入する。
地域のまちづくりや再開発にあわせ、下水の熱を利用した地域冷暖房事業に参画していく。
[3] 新技術の開発
環境改善のため処理場などにおいて放流水の水位差を利用した小水力発電や風力・太陽光発電などの導入に向けた技術開発を行っていく。
(2) 事業の効率化のために
効率的に事業を推進するため、事業の導入に当たっては、PFI手法の導入等、民間の技術・資金及び経営ノウハウ等を積極的に活用しながらより効率的な事業として導入を検討していく。