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第7回 鉄蓋大好き!

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マンホール蓋に雪は積もらない?

傭兵鉄子 Tetsuko Yohei

マンホールの蓋の上で猫が丸まってひなたぼっこをしているのを見ると、冬の訪れを感じます。とはいえ、東京では雪の季節はもう少し先のこと。
都内でも1月下旬~2月末にかけて雪が降ることがありますが、積もったとしてもうっすらとだけ。大雪になるのも年に一度あるか無いか。滅多に無いのでいざ大雪が降ると交通機関の乱れや車の事故などが起きることもあり大変ですが、こと東京近郊での鉄蓋観察の視点から見てみると、大雪は通常では見られない蓋の様子が観察できるレアイベントなのです。
写真AとBは2年前に大雪が降った時の都内での様子です。Aはうっすらと雪が積もり始めた時、Bはかなり雪が積もってきた状態。Aは周囲と同様に鉄蓋の上にもうっすらと雪が積もっていますが、Bは周りの積雪状態に比べ鉄蓋にはあまり積もっていません。雪が積もった時にはこのような状態の蓋を見かけると思いますが、素材は同じなのになぜこうした違いがあるのか。この二つの差はいったい何なのでしょうか。
答えは繋がっているインフラの違い。Aは水道消火栓蓋(上水道に繋がっている消火栓が中に入っている)、Bは汚水蓋です。下水道内に流れる生活排水の下水熱(排水熱)が鉄蓋に伝わり表面の雪を解かすので、蓋の上だけ雪が積もらないように見えるのです。
でも、寒さが厳しい土地ではそうはいきません。
写真C・D・E・Fは北海道の汚水蓋の様子です。5cmくらい雪が積もっても鉄蓋の上に雪は全くありませんが(※)、路面が圧雪状態になる12月には蓋全体を雪が覆い、その上を車が通るとD のように雪が蓋の地紋を美しく浮かび上がらせます。1月には空気穴と円形のわずかな窪みで辛うじて蓋が分かるくらいまで積もり、3月末の雪解け頃には周囲の路盤が凍上して鉄蓋が凹むので段差解消の為に土嚢が置かれる(暖かくなり周囲の路盤が下がると撤去される)等、積雪の少ない地域では見られない光景が広がります。
冬暖かいだけでなく、下水の水温は年間を通して安定していて外気温に比べ夏は低く冬は高いという特質があり、その下水熱の温度差エネルギー(下水水温と外気温の差)を冷暖房や給湯等に活用する取り組みも行われています。下水の流量や立地問題、需要と供給の割合等課題もありますが、導入により省エネやCO2削減等が期待されています。
普段はあまり気になりませんが、雪が積もることで地下にあるインフラの違いが鉄蓋にも現れます。雪が降った際にはぜひ観察してみてくださいね。

傭兵鉄子(ようへい・てつこ)

マンホール蓋&腐食金属愛好家。学生時代「自分の街をプロデュースする」という課題がきっかけで市町村毎に違う絵柄のマンホール蓋があることに気付き、以来鉄蓋の魅力にハマる。現実の蓋以外にも、アニメに登場する蓋についても研究中。

いろいろな場所にあるデザイン蓋だよ。どこの蓋かわかるかな?

写真提供(C・D・E・F):谷中章浩さん(路上観察者・郷土史研究家)

※ 寒冷地でも、マンホール内に断熱中蓋を設置したり鉄蓋上にゴム製の断熱マンホール蓋を設置する等の断熱対策をしている場合は、下水熱を伝えにくくなるので雪道の段差が軽減されます。他にも、地域の方が段ボールやキャンプ用の銀マットを乗せる等、独自の工夫で対処している例もあるようです。

表紙

下水道局の取組 お客さまの安全を守り、安心で快適な生活を支えます

下水道管の再構築はどのように行われているのだろう

特集 小学生下水道研究レポートコンクール

レインボータウンに行こう!

第7回 下水道かいわい記

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