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第36回 鉄蓋大好き!

マンホール蓋のデザインはどうやって決まるの?

傭兵鉄子 TETSUKO YOHEI

普段の生活や旅先などで足元を見てみると、さまざまなデザインのマンホール蓋が目に入ってきます。蓋のデザインから、そのまちの歴史や文化、名所や特産品などを知ることができて、見ているだけでも楽しいですよね。さまざまなデザインの蓋を見ていると、自分が作ったデザインがマンホール蓋になったらいいなと思う方もいるのではないでしょうか。ただ、マンホール蓋は公共物なので、勝手にデザインして設置することはできません。

蓋のデザインは、自治体からの依頼でマンホール蓋製造会社がデザインし、そこから提案された複数のデザインの中から自治体が選ぶことがほとんどです。それ以外では、自治体の職員がデザインした蓋や一般投票で決まった蓋、企業や地域とのコラボ蓋などがあります。ちなみに、平成4(1992)年に採用された東京23 区のマンホール蓋のデザインも、10個の候補の中から一般投票で決定しました。また、機会は限られますが、一般の人のデザインが採用されることもあります。市政施行や下水道整備の節目の記念事業の一環で蓋のデザインを公募することがあり、さまざまな自治体で行われています。ここ最近東京都でも、北区とUR都市機構の「赤羽台下水道マンホールふたのデザイン募集」(令和5〈2023〉年12月10日募集終了)や、国分寺市の「市制施行60周年記念ロゴマーク・キャッチフレーズ・まちの魅力発信マンホール蓋デザインを大募集」(令和6〈2024〉年1月31日募集終了)が行われました。

公募は自分のデザインがマンホール蓋になるまたとないチャンスです。募集期間は2週間~1ヶ月くらいと時間も限られているので、日頃から自分が住むまちの歴史や文化などに目を向けておくと、デザイン案が浮かびやすくなるのではないでしょうか。また、マンホール蓋には、線を太くしたり平らな部分を少なくするといった、滑ったりつまずいたりしないための工夫が施されています。そうした独特の表現方法にも注目してみると、デザインする時のヒントに繋がるかもしれません。

公募情報は自治体の広報誌やHPで告知されるほか、地域コミュニティ誌、雑誌の公募ガイドにも掲載されています。めったにないチャンスなので、機会があればぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

【一般公募の例】

画像:東京都小平市のデザインマンホール蓋

全国の自治体で13番目に早く下水道の整備が完了した記念に、一般公募で決まった東京都小平市のデザインマンホール蓋。平成3(1991)年採用

【地域とのコラボの例】

画像:東京都台東区「助六夢通り」のデザインマンホール蓋

区や地元町内会などでつくる「墨田公園オープンカフェ協議会」がデザインした、東京都台東区「助六夢通り」のデザインマンホール蓋・令和5(2023)年採用

傭兵鉄子(ようへい・てつこ)

マンホール蓋&腐食金属愛好家。愛好家主催のイベント『マンホールナイト』実行委員。学生時代「自分の街をプロデュースする」という課題がきっかけで市町村毎に違う絵柄の鉄蓋に気付き、以来その魅力にハマる。アニメに登場する蓋も研究観察対象。

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